悪くはないがクセもある
アプリの起動と終了のほかは一切キーボードから手を離さずに操作できる辺り、タイピングソフトとして徹底されていると思います。無料であるのが信じられないほどコースも充実しています。タイピングソフトにありがちな「"し" を "shi" と設定した以上 "si" とタイプしたら間違いとする」といった硬直的な判定ではなく、結果的に正しければどちらでも良いなど、現実に即していて好感が持てます。
しかし、問題点も感じます。
(1) 間違って入力した箇所が「三角のマーク」で表示されるだけで、「誤ってどのキーを押したのか」が分かりません。従って、例えば、「自分は左手の薬指のキーをよく間違う」とか「右手の人差し指がホームポジションに戻っていないことが多い」とかいった「自分の注意すべき点」を知る手がかりがありません。
(2) すでにある程度(我流でも)慣れた人なら、「間違った!」と思った瞬間に Backspace/Deleteキーに指が伸びるはずですが、訂正は許されません(誤入力と同視されます)。ミスタイプすること自体が問題(間違わなければ訂正も不要)と言えばその通りですが、「間違ったと分かっているのに入力し続ける」のも不自然です。
(3) それと関連して、「間違いを無視して単語・文節の途中から入力しなければならない」ので、思考が中断されます。
(1) は、訓練・学習という点で(誰にとっても)問題だと思います。(2)(3) は、ある意味で好みの問題ですが、すでに(我流で)ある程度タッチタイプができる人の場合、「矯正を強制」されることになり、また「頭の中の考えを書き出す」というより「文字を見て反射的に指を動かす練習」が続くので、かなりの苦痛を伴うと思います。私は、心が折れました。QWERTY配列にせよDVORAK配列にせよ日本語入力に最適化されている訳ではないですし、最近の日本語入力ソフトは(ことえりでも)変換候補の予測をしてくれるので、敢えて「型を守る」必要もないと思います。「自分の型」をもっていないパソコン初心者には、良い練習材料になると思います。
なお、入力が遅いのは、キーボードが手に合っていないからかも知れません。個人的に、ここ10年くらいのアップル製キーボードは質が悪いと思います(現在は、いずれも英字配列のFILCO Majestouchの茶軸とHappy Hacking Keyboard Professional2を使っています)。何となく間違いが多い人は、キーボードの買い替えも検討した方が良いかも知れません。
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